GXが必要となる要因である気候変動、自分ごととしてなかなかピンとこない方も多いと思います。今回は、気候変動が発展途上国にリアルに与えているインパクトの例として、アフリカの話をしたいと思います。

 実は、北九州GX推進コンソーシアム事務局である今の組織に勤める前、私は家族と一緒にアフリカのルワンダという国に住んでいました(2007-16)。現地のゴミ問題を中心とした環境問題に関わっていたのですが、その際のお話をします。

 まず驚いたのが、気候変動という概念はほとんどの人が知らないのに、そのインパクトが非常に身近であるということです。現地の人と車に乗ると、よく話題になるのが「種まきの時期が分からないよ!」ということでした。ルワンダはまだほとんどの国民が雨水に頼る自給自足型農業を行なっており、農業活動でどれだけ野菜や穀物を生産できるかは死活問題です。
 さらに聞いて分かったのですが、彼らの伝統的知恵で、「うちの近所のこの川の水位が(雨季や乾季を経て)こうなったら種まきをする」といった知見が代々受け継がれていたようなのですが、最近は水位の変化が読めずに大混乱なのだそうです。ルワンダは、四国よりちょっと大きく九州よりも小さいくらいの小国ですが、その中でも東部は乾燥化、西部は豪雨の発生の頻繁化が進んでおり、東部ではため池が枯れたという話、西部では洪水で家が水没した(何人か亡くなっています)、といった話を聞きました。

 もう一つ驚いたのが、現地の共通語であるKinyarwanda(キニアルワンダ)語に「気候変動」という言葉(あるいは概念)がなかった、ということです。現時点でgoogle翻訳すると該当するキニアルワンダ語が出てくるので、既に状況が変わっているのかもしれませんが、私の滞在当時は、知り合いであったルワンダ環境管理庁に勤めていた気候変動の専門家が、「太陽があってね〜、それが空気を温かくしてね〜」と一つ一つ丁寧に住民に説明し、それに対応する現地語を作り中、と説明してくれていました。

 ルワンダは農業以外に大きな産業がなく、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の情報では、2005年時点での国全体の温室効果ガスの排出量は植林量も考慮するとマイナス(全体として出していない)で、その状況は他のレポートをみても最近でもあまり変わっていないようです。日本でも豪雨水害で既に大きな被害が出ていますが、ルワンダのような国で気候変動が激化すれば、「今日の食べ物が手に入らない」とか、「村全体が大雨で流された」といった状況がこれから激化すると思われます。気候変動の問題は「地球」環境問題であり、我々の排出する温室効果ガスによってこういう人々に深刻な影響を与える点、少しでも気づきながら日々を過ごせるかどうか、大事ではないでしょうか?