相談事例
Case Studies
- 2026.4.8
ご相談事例:第一交通産業

相談企業の概要
タクシー事業を中心に全国展開しており、Scope 1, 2の算定や目標設定(2035年度までに2013年度比60%削減)を既に進めています 。前年の支援により、有価証券報告書へのカーボンニュートラル(CN)方針の掲載を実現しましたが、経営層からは単なる目標達成に留まらず、地域特性を考慮した「企業競争力を意識した開示」や「具体的な削減施策の具体化」が求められていました。
相談内容
◆当初抱えていた課題
全体の削減目標は策定済みであるものの、その具体的な中身の詰めや、開示の高度化が課題となっていました 。特に、タクシー車両のハイブリッド(HB)化やEV化は進めているものの、地方では都市部に比べて削減インパクトが出にくいといった比較競争上の見せ方、および燃料(LPG)依存からの脱却という抜本的な解決策の模索に苦慮していました。
◆支援希望内容
・経営目線での目標設定の精緻化および情報開示の高度化支援
・削減目標に関連する具体的な方向性の整理
・既存の車両対策以外での「目玉となる脱炭素事業」の検討と壁打ち
コーディネーターによるヒアリング内容と支援の方向性
見える化の次のステップとして、対外的な開示の質を向上させること、およびLPG・電力削減という大きな投資を伴う施策以外に、アピール力の高い独自の活動を検討する必要があると判断しました 。専門家との対話を通じて、トランジション(移行)の考え方を整理し、実証事業などの具体的なアクションへ繋げる方向で支援を計画しました。
専門家による支援内容
専門家は、IGES(地球環境戦略研究機関)北九州アーバンセンター 赤木純子氏が担当しました。
■1回目国の削減目標を踏まえた着実なトランジションの重要性を共有 。補助金を活用した実証事業として、次世代太陽電池(ペロブスカイト型)への関心を確認し、情報収集を推奨しました。
■2回目非プライム企業におけるサステナビリティ情報開示のロードマップを確認 。また、J-クレジットの活用方法や、ペロブスカイト型太陽電池の飲食店用賃貸物件への適用可能性について意見交換を行いました。
■3回目九州電力も交え、より具体的な案件形成について協議しました。福岡空港での実証事例などの情報を得つつ、不動産(飲食施設)での発電事業実証を視野に、九州電力と連携して検討を継続することを決定しました。
専門家 IGES(地球環境戦略研究機関)北九州アーバンセンター 赤木純子様より
先方のニーズに寄り添い、対話を起点としたブレインストーミングを通じて論点整理と方向性の明確化を支援しました。あわせて、本支援の枠組みにおいては、必要に応じて専門的知見を有する専門家との接続も可能であり、今回は九州電力様のお知恵もいただきながら、検討の具体化・深化を後押ししました。GXは継続的に考え、試行を重ねていくプロセスが重要です。その積み重ねが、今後の展開につながることを期待しています。