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- 2025.10.28
- GX入門
宇宙太陽光発電
宇宙太陽光発電、というのをご存じでしょうか。「Space Solar Power Systems」の頭文字を取ってSSPSとも呼ばれるそうです。
ソーラーシステム、でピンときたあなたは、間違いなく私の同世代かもう少し上、機動戦士ガンダムをワクワクして見た方ではないでしょうか。あれは、オリンピックの採火を巨大化した、発熱システムですが、「Space Solar Power Systems」は、宇宙空間で太陽光発電をする仕組みです。なお、機動戦士ガンダムでも、スペースコロニーの外壁には太陽光発電のパネルが貼られて動力源になっているという設定がありましたね(しつこくてすみません)
さて、宇宙空間で太陽光発電、ですが、太陽光発電の天敵っである雲という遮蔽物が無いわけですから、非常に効率よくなるんだろうな、というのは容易に推測できます。また静止軌道であれば昼夜の影響をほとんど受けないため、地上に比べて約1.4倍の強度の太陽光を利用でき、稼働率が非常に高い(90%以上との試算あり)のだそうです。
拙宅では、屋根に太陽光発電パネルを載せていますが、夏と冬では、発電量がかなり違います。天気の影響もありますし、太陽の角度、日照時間などに大きく左右されるのは、毎月の電力会社からの請求額で、痛感されることしきりです。
昼夜・天候に関わらず安定的に電力供給が可能というので、一般的に太陽光、風力発電などの再生可能エネルギーが自然環境の影響を受けやすいことを考えると、まったく夢のような素晴らしい技術です。
宇宙空間で太陽光発電を行う、というのが、非常に安定的で効率的(宇宙デブリや太陽フレアなど、まだまだ課題はあるにせよ)なのは、上記のように、素人でも簡単に想像がつきます。
しかし、宇宙ステーションや衛星のように直接取り込むのでなければ、送電の問題はどうするのでしょうか。
電子ケーブルを地上と衛星軌道上でつなぐ?送電ロスは?実現性は?と相当に首をかしげるのですが、なんと、無線で電力を送る技術の開発がすすめられ、JAXAで実証実験が行われているというのだから驚きです。
詳しくは、こちらのJAXAの動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=EpZcHonmaRM
電流が空から降ってくる、と言われると、雷電を思い浮かべるのですが、そんな、人体や自然環境に影響なしに、上空から電力を送ることができるのに、驚くしかありません。情報通信の電波が、人工衛星から地上に降ってきているので、不思議ではないのかもしれませんが、動力となるだけの電力が供給され、しかもロスなく、というのは、技術の進歩に脱帽するばかりです。
ましてや、無線の電力送信技術において、日本が群を抜いているというのは、日本人として誇らしく感じますね。
動画では、宇宙太陽光発電の認知度を上げることが大切と語られていました。ぜひ皆さんにも興味を持っていただきたいと思います。