自社のカーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギーの導入を実施・計画している企業も増えています。
まだこれから再生可能エネルギーの導入という方々向けに、調達方法として考えられる手法をご紹介したいと思います。

再エネ電力の調達方法

まず、調達方法として以下の6つが挙げられます。

1.自社で保有する再エネ発電設備からの調達
2.自社の敷地内に他社が保有する再エネ設備からの調達
3.自社の敷地外の再エネ設備からの自営の系統による調達
4.自社の敷地外の再エネ設備から電力会社の系統経由での調達
5.電力供給事業者との契約に基づいた調達
6.電力とは切り離された再エネ電力証書の調達

それぞれの方法について見ていきます。

自社で保有する再エネ発電設備からの調達

再エネ電力を使用する工場の屋根などに自前で太陽光パネルを設置し、そこで発電した電気を自社で使用する方法です。
設備の設置場所の制約や、導入や維持管理などの費用は発生しますが、発電した電力は無料で利用できますので、再エネの調達方法としては最も直接的で無駄がない方法と言えます。

自社の敷地内の他社が保有する再燃設備からの調達

再エネ電力を使用する企業の敷地内に、第三者(PPA事業者)が発電設備を設置し、そこで発電した電気をPPA事業者が企業に販売する方法です。「オンサイトPPA」とも呼ばれます。
発電設備の導入や維持管理などの費用はPPA事業者の負担になり、初期投資などを抑えられます。発電した電力はPPA事業者から固定価格で購入する形になります。

自社の敷地外の再エネ設備からの自営の系統による調達

敷地外にあるメガソーラーなどの発電設備と電力を使用する工場などを、自営の専用線で接続し電力を使用する方法です。
自営の専用線が必要になりますので、発電設備と企業の距離によってはコスト高になります。発電した電力はPPA事業者からの固定価格での購入になります。

自社の敷地外の再エネ設備から電力会社の系統経由での調達

敷地外にある再エネ発電設備からの電力を、電力会社の系統経由で調達し使用する方法です。「オフサイトPPA」とも呼ばれます。
近隣に十分な再エネ発電設備がないケースでも、離れた場所のメガソーラーの電力が利用できるなど、活用範囲が広がりますが、電力料金のほかに電力会社の送電網を使う利用料として「託送料金」を支払う必要があります。また、電力会社の系統を流れている電力には、再エネであることの色がついているわけではありませんので、電力小売業者が環境価値(証書)を発行し再エネ電力であることを保証する形になります。

電力供給事業者との契約に基づいた調達

電力小売事業者が提供する、再エネ電力と電源が紐ついた「再エネ電力メニュー」の電力を購入する方法です。
電気契約の切り替えだけで始められ、設置コストや運用コスト・手間もかからないため手軽な調達方法といえます。現状は通常の電気料金よりも若干割高になることが多いようですが、今後再エネの需要が増加すると料金がコスト増になる可能性があります。
こちらも電力小売事業者が環境価値(証書)を発行する形になります。

電力とは切り離された再エネ電力証書の調達

再エネ電力とは切り離された環境価値(証書)を「環境価値取引事業者」などから調達し、再エネを使用したとみなす仕組みです。
環境価値(証書)にも非化石証書、グリーン電力証書、J-クレジットなどの種類があります。

まとめ

カーボンニュートラル実現のために再生可能エネルギーの導入は必須です。
サプライチェーンなどからの要求も高まることが予想されます。
各々も企業に合った形での、早めの導入のご検討をお願いします。