なんとなく、世界的なGXの動きが退潮?という雰囲気が続いていたところですが、日本政府で大きな動きがありました。

政府は8月26日に開催されたGX実行会議で、「GX戦略地域」と呼ばれる新たな制度を創設する方針を決定し、同日から全国の自治体や企業などから事業提案の募集を開始しました。この制度は、データセンターや脱炭素産業の集積地を創出することを目的としています。提案の登録期間は2025年8月26日から10月27日まで、選定は2026年になる見込み。

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3つの事業類型

「GX戦略地域」は、日本の地方産業を大規模に再生させるための取り組みとして、主に以下の3つの類型で事業提案が募集されています。

[コンビナート等再生型]
石油化学コンビナートなどの既存資産を有効活用し、脱炭素化に向けた新たな産業の研究開発拠点や産業集積地へと転換させることを目指します。

[データセンター集積型]
大規模なデータセンターを適正に立地させるための計画です。安定した地盤、30ヘクタール以上の用地、十分な電力供給、そして通信インフラが整備されていることなどが選定の条件となります。

[脱炭素電源活用型]
地域で脱炭素電源(再生可能エネルギーなど)の供給を拡大し、それらを活用することでサプライチェーン全体の高度化を目指します。

この制度・施策の展望

これまでのGXの国の施策に比べ、非常に大型の、わかりやすい施策が出てきたなという印象です。この施策が日本の地方経済に与える影響について、考えてみました。

  1. 産業構造の転換と新たな雇用創出
    「GX戦略地域」の取り組みは、地方の産業構造を脱炭素化へ向けた新しい形に転換させる大きな機会となります。特に「コンビナート等再生型」では、これまで石油化学産業が中心だった地域が、水素製造やCCUS(二酸化炭素の回収・有効利用・貯蔵)といった最先端の技術拠点に生まれ変わる可能性があります。これにより、新たな技術職や研究開発職が生まれるのではないでしょうか。
  2. インフラ整備と地域の魅力向上
    データセンターの誘致は、単に施設が建設されるだけでなく、その稼働に必要な電力インフラや高速通信網といったインフラの整備を加速させます。また、安定した電力供給や高速通信網は、新たな企業誘致の強力なフックとなり、地域の経済基盤を強化するのでは。持続的な地域経済の成長に向けた基盤づくりとなるよう期待できます。
  3. 地域資源の有効活用と自立性の強化
    「脱炭素電源活用型」は、各地域の再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱など)を有効活用し、地産地消のエネルギーモデルを構築することを目指します。再生可能エネルギー関連産業の集積は、地方に新たな産業クラスターを形成し、地域経済の活性化に貢献します。また、サプライチェーンの脱炭素化が進むことで、グローバルな競争力を持つ産業が地方から生まれる可能性が期待できます。

今回は、ちょっと専門的な時事ニュースをご案内しました。情報があふれており、経済動向のすべてを網羅することは難しい時代です。北九州GX推進コンソーシアムでは、セミナーも開催していますので、ぜひ参加して、専門家の知見を取り入れてください。