気候変動が世界的な課題になっている今、皆さんもGXに取り組むことの必要性については認識されてきたのではないでしょうか?

「GXの必要性については理解した!わが社も是非ともGXに取り組んでいきたい!!
でも、なにから始めればいいのかわからない・・・」

そんな企業の皆さんも多いのではないでしょうか。
今回は、まず初めに取り組むべきステップについてご紹介します。

ステップ1.自社のGHG排出量の把握

まずは、自社の活動でどのくらいの温室効果ガスを排出しているのか把握しましょう。
温室効果ガスの排出は、それぞれ次の様に定義されています。

出典:環境省「排出量算定について」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/estimate.html

Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

ちょっと難しい表現になっています。あえて簡単に言い換えるとScope1は燃料、Scope2は電気、Scope3はそれ以外となります。
温室効果ガスの排出量の把握と言うと、いきなりハードルが高く感じるかもしれませんし、実際難しい部分もあります。
まずはできることを、という事で自社のScope1、2の把握から実施しましょう。

Scope1、2を把握するために必要なものは、自社の燃料使用量と電気使用量です。温室効果ガス排出量の見える化ツールを使用すれば、換算値を使用して各々の使用量をCO2排出量に変換し、分かりやすい形で見える化をしてくれます。

ステップ2.エネルギー転換できないか検討する

温室効果ガス排出量の把握ができたら、次はエネルギー転換について検討してください。化石燃料を使用している場合は電化や他のものに転換できないか検討をお願いします。

例えば、社用車をガソリン車からEV車へ変更できませんか?ボイラーをヒートポンプへ置き換えられませんか?現在使用中のバーナーを水素バーナーへ変更できませんか?
とはいえ、エネルギー転換は多額の費用が必要な場合も多いと思います。今すぐに対応とはいかない場合も、無理のない範囲で計画の立案をお願いします。

ステップ3.省エネ対策を検討する

社内の機器の省エネ化を検討してみてください。古いエアコンを最新のものに置き換えると、省エネ効果が得られます。また、窓サッシの二重化なども省エネ効果が非常に高いようです。省エネについては直接的にコスト削減にもつながります。積極的な取り組みをお願いします。

ステップ4.再生可能エネルギーの調達を検討する

現在使用している電気を再生可能エネルギーに変更することを検討してみてください。再生可能エネルギーは温室効果ガスを排出しませんので、電気を使用する際の排出量を削減することができます。
再生可能エネルギーの調達には以下のような方法があります。

・自家発電(太陽光パネルの設置など)
・小売電気事業者との契約
・再エネ電力証明書等の購入

ステップ5.GHG排出量の削減計画を作成する

ステップ2からステップ4までで検討してきた削減案を取りまとめましょう。
削減計画毎に期待される温室効果ガスの削減量、想定される光熱費・燃料費の増減金額、必要な投資金額を整理し、各対策案の実施時期について計画を立案しましょう。まずは、短期・中期・長期での取り組みに分けて計画を立案するとより効果的です。

対策の実施には投資が必要になりますし、ランニングコストが上昇してしまう場合もあると思います。その様な場合も、国や自治体での補助金制度や税制の優遇制度などが設けられています。ご確認をお願いします。

ステップ6.GHG排出量の削減状況をモニターする

計画に対する実績をモニタリングしましょう。先述の温室効果ガス排出量の見える化ツールを使えば時系列に確認ができます。思ったような効果がでない場合は、別の対策がないか再検討をお願いします。

技術の進歩に伴い取り得る手段も増えてきます。また、同じ手段でも普及に伴い価格も安価になります。定期的な計画の見直しをお願いします。

ステップ7.自社の活動で攻めていく領域を検討する

ここまでは自社で排出している温室効果ガスの削減でした。次は皆さんが扱っている製品をより脱炭素に貢献するものにシフトしていく、攻めのGXの検討をお願いします。
参考までに、GX実現に向けた重点14分野は以下になっています。

出典:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html

これらの分野以外でも、GXは皆さんの企業にとってコスト削減や企業ブランドの価値向上、ビジネスモデルの変革など様々な効果、メリットがあります。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、波に乗り遅れないようにしっかりと踏み出していきましょう。
北九州GX推進コンソーシアムでは、最先端の研究開発や社会実装などについては部会、より深くGX経営について学びたい場合はGXエグゼクティブビジネススクール、相談事があればGXワンストップ相談窓口と様々なメニューを準備して、皆さんのGXへの取り組みをサポートさせていただきます。(https://ktq-gx.com/