今年の秋は、政治経済に関して大きな動きのある秋でした。日本でも衆議院議員選挙が行われましたが、やはり世界の注目はアメリカの大統領選挙でしょう。トランプ大統領の再選は、今後のGXの動向を探る上で、最も注視される要素になるのは間違いなさそうです。なかでも、世界のEV自動車販売シェアトップのテスラを率いるイーロン・マスク氏が、どのような影響を与えるか。GXの波はしばらく高波警報(?)が出ているかもしれません。

さて、アゼルバイジャンの首都バクーで開催されていたCOP29が、会期延長を経て、24日に閉幕しました。COPといえば、他の国際会議に比べ、なかなか合意を得られず、会議に疲れ果てた代表たちの様子が伝えられるのが印象的です。毎年開催されており、気候変動対策の会議とは知っているけれど、少し踏み込んで説明しろと言われると心許ないのが正直なところ。そのCOPについて調べてみました。

COPって何の略?

社会人として知らないでは済まされない「COP」。しかし、その正確な意味は意外と知られていないのではないでしょうか。COPは、締約国会議(Conference of the Parties)の略で、多くの国際条約で加盟国の最高決定機関として設置されているそうです。
気候変動の言葉が入っていませんね。どういうこと?
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国会議(Conference of the Parties)、これがよく耳にするCOPの正体です。198か国・機関が参加する気候変動に関する最大の国際会議で、毎年開催されるたびに、数字のカウントが増えていきます。

COPの開催地はどうやって決まる?

COPは国連が分類する5つの地域グループ(アフリカ、アジア太平洋、中南米・カリブ、中・東欧、西欧・その他)の持ち回りで開催されるそうです。2024年は東欧グループの順番となっており、多くの立候補からアゼルバイジャン、アルメニア、ブルガリアの3カ国に絞り込まれたそうですが、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノ・カラバフを巡る対立や、ロシアによるEU加盟国での開催反対により、2024年のホスト国について合意できなかったとのこと。ところが、アゼルバイジャンとアルメニアがナゴルノ・カラバフの和平に向けた共同声明を発表、アルメニアは善意の印としてCOP29の招致を取り下げ、アゼルバイジャンでの開催支持を表明、ブルガリアも立候補を取り下げ、東欧グループ内はアゼルバイジャン支持でまとまったそうです。
開催地を決めるのも一苦労ですね。なお、COP27のエジプト、COP28のUAEに続き、3年連続で化石燃料産出国での開催となるそうで、こういったところも複雑な利害関係が絡んでいることを想像できます。

これだけは押さえておきたいCOP_X

COPは毎年開催されますが、重視されるのは、以下の2会議でしょう。京都議定書、パリ協定。GX頻出Wordです。

1997年:京都議定書(COP3)
各国に温室効果ガス削減目標を設定。

2015年:パリ協定(COP21)
気温上昇を産業革命前から「2℃未満」に抑える努力目標を設定、さらに「1.5℃未満」を目指す。

ところで、キリスト教(カトリック)のローマ法王を選出する選挙、コンクラーベをご存じですか。世界史の授業を選択すると、「根競べ」の語呂合わせ(駄洒落?)で覚えろと言われたものです。法王選挙も国際政治の舞台であったことからなかなか決まらず、そのため、ある工夫がなされていました。選挙期間中、投票する枢機卿はシスティナ礼拝堂に籠り、食事のメニューがどんどん質素になっていく、そのため早く妥協点を見つけて決めざるを得ない方向に流れるというものです。
COPは例年11月~12月の北半球では涼しい時期に行われます。盛夏に開催すると、気候変動の実感がわいて、早く合意できるんじゃないかなどと思ってしまいますね。