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- 2025.7.30
海面上昇が日本経済に与える打撃
ツバルという国をご存じでしょうか。南太平洋の島国で、平均海抜は3メートル以下。海面上昇の影響で、今後国土の9割が浸水すると懸念されています。
オーストラリア政府は、2023年、世界で初めて気候変動を隆とした移住ビザの発行を決定しました。毎年280人の移住を受け入れるとし、6月16日移住申請の受付を開始したところ、なんと応募が8750人になったそうです。ツバルの国連推定人口は9400人。9割以上が応募したことになります。
しかしこれは、対岸の火事ではありません。日本もまた島国であり、海面上昇の影響を免れ得ません。例えば、今万博で盛り上がっている大阪ですが、縄文時代には温暖化による海進で、河内湾と呼ばれる海の底でした。そこから7~8000年かけて海退があり、また淀川、大和川が運ぶ堆積物などによって陸地化がすすみ、現代の姿になっています。古事記や日本書紀には、実際に河内湾を船で進んだ記録も残されています。
想像がつかないな、という方は、こちら、JAXAの海面上昇シュミレーターでぜひシュミレーションしてみてください。
https://data.earth.jaxa.jp/app/sea-level-rise/?h=0&lng=130.8941&lat=33.9479&zoom=12.95
言うまでもなく、日本は国土の多くが山地で、平野部に工業地帯、商業地、居住地が集中していますから、この平野の浸水の危険性が上がるということは、土地の価値が、いったいどうなっていくのでしょうか。
また、日本のEEZ(排他的経済水域)は世界6位の広さですが、なんと日本の陸地面積の12倍に相当します。多くの離島をつないで、この広さを確保しているわけです。離島が海に沈めば、EEZが狭くなってしまいます。日本政府は、海面上昇前の海岸線を基準とするよう各国に呼びかけていますが、国際的な合意形成は見えていません。
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