最新動向
Latest Trends
- 2025.10.8
- GXよもやま話
【GXよもやま話】気候変動と異常気象
「温暖化の影響による気候変動により異常気象が発生しています」なんて声を良く耳にしますが、皆様「気候」と「気象」の違いってご存じでしょうか?
両方とも大気の状態を表す言葉ですが、観測の長さに違いがあります。
気象は1日とか1時間といった短い期間、気候は30年などの長い期間の大気の状態といった違いがあります。
英語で言うと「気象」は「Weather」で、「気候」は「Climate」ですね。「気候変動」は「Climate change」、「異常気象」は「Abnormal weather」や「Unusual weather」などと呼ばれます。ちなみに「日本気象協会」は「Japan Weather Association」ですが、日本の気象庁は「Japan Meteorological Agency」で、気象でもより専門的な「Meteorological」が使われています。
気候といえば中学で習った熱帯、温帯、寒帯なんてのも思い出します。よく「今年の夏も異常に暑いし、日本はもう熱帯になったんじゃないの?」なんて会話もされるかと思いますが、「ケッペンの気候区分」では熱帯と温帯の違いは「最寒月の平均気温が18℃以上か未満か」なので、夏の暑さで熱帯になることはないです。「今年の冬は異常にあったかいので、もう熱帯になったんじゃないの?」が正しい使い方ですね。
そういえば台風って地域によって呼び名が異なるのは割と有名ですよね。
太平洋の北西や南シナ海では台風(タイフーン)、大西洋やカリブ海などではハリケーン、インド洋などではサイクロンになります。
ちなみに台風とタイフーンは同じだと思っていませんか?実は台風は最大風速(10分間平均)が17m/s以上になったもの、タイフーンは最大風速(1分間平均)が33m/s以上のものと定義されており違いがあるんです。
台風の強さは中心付近の最大風速、大きさは強風域の半径が目安になります。
風速は33m/秒以上~44m/秒未満で強い、44m/秒以上~54m/秒未満で非常に強い、54m/秒以上で猛烈と分類されます。
半径は500km以上~800km未満で大型、800km以上で超大型です。
温暖化の影響で台風がより強くなるとの懸念もあります。この分類をおぼえておいて損はないでしょう。
また中心気圧も台風の勢力を知る重要な指標です。一般的に、中心気圧が低いほど台風は強力とされていて、980hPa未満となると強いと分類されます。
ところで、この気圧の単位hPa(ヘクトパスカル)ですが「人間は考える葦である」でおなじみのフランスの哲学者ブレーズ・パスカルから名付けられています。ちなみに「ヘクト」の方は100倍を意味しており、1ヘクトパスカルは100パスカルということですね。
このパスカルさん、さすがに物凄い人で、先ほどの「考える葦」やパスカルの原理やパスカルの定義が有名ですが、機械式計算機まで発明しています。また「考える葦である」以外にもこんなことも言ってます。
「人間の問題はすべて、部屋の中で一人で静かに座っていられないことに由来する」
なかなかにグッとくる言葉ですね。
一人で部屋にじっとしていれば、トラブルに巻き込まれることもないでしょうし、人間関係に悩まされることもないでしょう。ディズニーアニメの「塔の上のラプンツェル」に登場するカメレオンの名前は「パスカル」なのですが、この辺に由来しているのかもしれませんね。
とはいえ、少しずつ涼しくなってきましたし、少々の問題に出くわしても、短い秋を感じるためにお出かけしたいですね。むしろ少しくらいの問題であれば、ウェルカムといったところでしょうか。もちろん大トラブルは勘弁してもらいたいですけどね。