12月になり急に寒くなってきました。ついこの前まで暑かったなんて嘘みたいです。
日本もすっかり四季から二季になってしまった感がありますね。
街中はすっかりクリスマスムードでイルミネーションがキラキラしています。

そんな中、キリスト教徒でもないのに「何がクリスマスだ!」ってことで、今回はあえて仏教ネタを。
(クリスマスを祝い、お正月には神社を詣で、お寺で法事をする「いい加減」さは、ある意味「日本人の美徳」だと思っていますが・・・)

クリスマスは神の子ことイエス・キリスト様の降誕を祝う日とされています。(実は誕生日は12月25日ではないという説もあるようですが)
それではブッダことゴータマ・シッダールタの誕生日はご存じでしょうか?
正解は4月8日で、あまり話題にはなりませんが「花まつり」や「灌仏会」として祝われています。

生まれた直後に立ち上がって7歩歩き、右手で天を左手で地を指さし「天上天下唯我独尊」と説いたという逸話は有名ですね。
「唯我独尊(ただ自分だけが尊い)」とは生まれた瞬間の赤ん坊がずいぶんと大きく出たもんだと思います。
ですが、実は解釈が違って「この世界の一人ひとりが唯一無二の尊い存在である」という意味であり、「みんなちがって、みんないい」的な「世界に一つだけの花」的なことだったんですね。

そういえば仏教用語で「バカボン」っていうのがあります。
お釈迦様の尊称で「悟りを開いた者」「徳のある者」という意味があり、「薄伽梵(ばがぼん)」に由来する言葉だそうです。
バカボンと言えば、皆さんご存じ赤塚不二夫先生のギャグ漫画「天才バカボン」ですが、この仏教用語に由来しているのでは?との説もあり、バカボンのパパの口癖「これでいいのだ!」も仏教の教えに通じている、なんて言われていたりします。
他にも「放浪者」という意味のある「バガボンド(vagabond)」説や、「馬鹿なボンボン」を略して「バカボン」説もあるようですが、正解は赤塚先生のみぞ知るところですね。

ところで「馬鹿」ってなんで「馬」と「鹿」なんでしょう?
別に馬も鹿も特段頭の悪い動物だとも思えません。
こちらも諸説ありではあるようですが、その中の一つに「馬を指して鹿となす」という中国の故事成語に由来しているという説があります。

中国の秦の時代、趙高という宦官が皇帝に「珍しい馬が手に入りました」と鹿を献上します。
皇帝は「これは鹿ではないか」と尋ねますが、趙高は周りの家臣に「これは馬です。どう思いますか?」と聞くと、趙高の権力を恐れた者は「馬」と答え、権力に屈しない者は「鹿」と答えます。
趙高は後に「鹿」と答えた者をすべて処刑したとのことです。
長いものに巻かれて「馬」と答えるのが馬鹿なのか、屈せず「鹿」と答えるのが馬鹿なのか、ちょっと考えさせられる話ですね。
(ちなみにこの趙高、原泰久先生の漫画「キングダム」にもちょっとだけ登場しています。)

この話を聞いて、アメリカのトランプ大統領が国連で「気候変動対策は世界史上最大の詐欺」と演説したことを思い出しました。
果たしてトランプ大統領が鹿を指して馬と言っているのか、我々が間違っていて馬のことを鹿だと思い込んでいるのか、真偽のほどはわかりません。
いずれにしても以前のような穏やかな日本の四季が戻ってきてくれれば良いのですが。