相談事例
Case Studies
- 2025.6.25
ご相談事例:第一交通産業株式会社

相談企業の概要
当該企業は、タクシー事業と不動産事業を柱に、地域に根ざした共存共栄の事業を展開し、地域社会の発展に貢献しています。
相談内容
◆当初抱えていた課題
エネルギー別・事業別のCO2排出量の算出(概算値)を独自で行っていたものの、不明点を抱えていました。例えば、エネルギーごとの排出係数、平均単価、使用量の推計、基準年のデータがない場合の対応などです。
また、打ち手や効果の数値化、その先にある削減目標設定などもこれからでしたので、まずは排出量算定の妥当性を確保したいという意向でした。
◆支援希望内容
4回の支援で、直近年度や基準年度の排出量の整理を実施した上で、排出量シート精緻化へのアドバイス、その他削減策、目標設定など今後につながるアドバイスを希望していました。
コーディネーターによるヒアリング内容と支援の方向性
自社CO2排出量算定(Scope1、2)に関して、これまでの取り組み状況や、有価証券報告書への記載義務化といった背景を確認しました。現状値の整理が進む中で生じた具体的な不明点について詳細を確認し、妥当性の確保を最優先に進める方向性が確認されました。この課題に対し、専門家として公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)様を選定し、支援を開始しました。本支援は、CO2排出量シートの妥当性確保を目標として実施される計画となりました。
専門家による支援内容
CO2排出量の見える化、削減策のリストアップとそれらの定量的効果のアドバイスについて支援して頂きました。
CO2排出量の見える化については、これまでの算定方法に基本的には問題がないことを確認し、今後対策の効果を見ていく上での改善ポイントについて助言が行われました。
また、LPGガスを使用しているタクシーからハイブリットやEV車両への更新を検討する中で、CO2削減効果を示す評価手法に関する相談をし、環境省のウェブサイト「温室効果ガス排出削減等指針」を紹介されました。この情報はまさに当社のニーズに合致していたため、これを基に削減策の検討を進めることになりました。
さらに、車両間の比較方法を用いて試算を行った中で生じた疑問点(主にLPG車、ハイブリッド車、水素車のCO2排出量試算に用いる係数に関する疑問)の解消に向けた対話が行われました。今回の支援を通じて、排出量の妥当性や削減効果の見える化が一定の目途が付いたことから、今後は次のステップである「削減目標設定」に向けて適宜フォローアップが行われる予定です。
専門家 公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES) 赤木様より
ご相談に来られた時点ですでに算定を進めていらしたこともあり、主に用いる方法論の妥当性確認や計算処理の方法などについて助言を行いました。算定作業を進める上で出てくる疑問を解消するための「壁打ちセッション」(対話)を繰り返すことで、当初の計画通り支援を進めることができました。
毎回明らかにしたいことを明確に示していただけたことと、対話の際には必要な情報を開示していただけたことが、うまく進んだ要因であったように思います。
GXに関連して同じような内容でモヤモヤを抱えている方がいらっしゃれば、ワンストップ相談窓口からお気軽にご相談ください。